新しいデジタルカメラを買った。どうしても撮影してみたくてたまらなくなり、午後4時を過ぎていたにもかかわらず、私はまた、東京へ出かけた。無計画だった。
とりあえず東京駅の八重洲南口から出発してみた。何を撮影しようか、全く思いつかなかった。
しかたなく、以前から関心のあった旧桶町にあったとされる小千葉道場跡地を探してみる。この道場は坂本竜馬が剣術の修行を行ったことで有名である。
界隈を歩き回るがモニュメントが見つからない。夕闇は迫って来ている。落胆しても始まらない。ふと、亀島川に架かる南高橋が見たくなった。そこで一路、八丁堀へ向けて進むことにした。
もくじ
東京駅~南高橋~永代橋~清澄通り~両国駅
2002年8月31日(土曜日)
八丁掘に行くには、いくつかの大通りを横断せねばならない。まず、明治屋ビルのある中央通である。早速、撮影してみた。ところが、逆光だった為、上手く撮影できない。
次に、昭和通である。ここには、創業1717年という看板が掲げられた「ぬ利彦ビル」がある。どうやらお酒関係の会社の様である。目立つビルなので一枚撮影してみた。
やがて、旧楓川に架けられた宝橋を渡る。橋の下には都心環状線が走っている。昔の面影は全く残ってはいない。そのまま直進、交番を過ぎる、八丁堀はもうすぐである。
それにしても付近はひっそり静まり返っている。やがて間口の小さな商店が連なる鈴らん通に着いた。横断すると、そこは新大橋通である。急に車の往来が激しくなる。八丁掘駅はすぐに見つかった。
南高橋
駅近くの新大橋通沿いには桜川公園がある。ここは昔は川だった様で、道路の片隅に橋が架かっていたことを示す石碑があった。
園内の木々を楽しみながら歩く、細い路地を抜け、少し広い道を左折し、ゆるやかなカーブを曲がると突然、橋が見えた。数枚撮影した。満足だった。
橋の上は、気持ちよい風が吹き抜け、欄干に体を預けて携帯メールを楽しんでいるご婦人がいた。この橋は車の通行が少ない。気持ちの良い場所である。
南高橋を渡り、中央大橋方向へ右折すると正面には大きな中央大橋が見える。やっと隅田川にたどり着いたのだ。隅田川の堤防には親水テラスがあるので川沿いに進むことができる。
近くには夕焼けを楽しむ人々で賑わっている。なにやら弁当を食べている人、私と同様、カメラを持っている者、はたまた外国人の姿も見える。上流側には永代橋が見えているが、ライトアップには時間がまだ、早い。
それにしても、さわやかな風が吹き抜け、気持ちの良い空間である。
上流へ進むと永代橋を渡ることでできる。橋を渡るとそこは、佐賀町である。ここで、いつものコースからはずれるが路地へはいってみた。
今は無き食糧ビル
偶然、重厚感あふれる古い建物と遭遇した。地図には食糧ビルと記載されていた。全く予期せぬ出会い。夢中で撮影するも夕暮れ時、上手く撮影できるか不安があった。
両国「文殊」の天ぷらそば
次に御船橋を渡った。大川端方面の夜景が美しい。そこで、本日最後の撮影を試みた。
その後、仙台掘川に架かる清澄橋を渡り、清澄庭園の隅にある深川図書館で小休憩を取った。疲れも取れたので、両国駅を目差し、清澄通を北へ向う。車の往来が激しい、ところどころ平行して走る路地を利用して進む。
小名木川に架けられた高橋、竪川にある二之橋と無事に渡ることができた。最後の難関である京葉道路を芥川龍之介生育の地と書かれた碑がある場所付近で横断し、細い横綱通に入った。駅近くにある、「文殊」で天ぷらそばを食べた。
店に入った時、客はおじさんが一人だけだった。彼はセットものを黙々と食べていた。自分は評判の天ぷらそばを注文した。本日の散歩はこれで終った。(^^;